事務局概要 SUMMARY

事務局概要

●名  称
公益社団法人 日本精神科病院協会
DPAT事務局(厚生労働省委託事業)
●事務局長
野木 渡(日本精神科病院協会 副会長)
●次  長
五明 佐也香
河嶌 讓
●所 在 地
〒108-8554 東京都港区芝浦3-15-14

事業の趣旨

大規模自然災害及び事故・事件等の発生時には、被災地の医療機関の機能が低下・麻痺する一方、要医療者は増大するため、被災地以外からの支援が必要となる。特に精神医療分野においては、災害発生以前からの要医療者や災害時の負傷者だけではなく、避難所における精神医療ニーズのアセスメント、認知症患者の対応、精神科病院等の精神障害者関連施設からの避難、その後のストレスケア、他医療・保健チームや行政との連携等、多岐に渡るニーズが想定される。

このため、精神科医師、看護師、事務職員等で構成する災害派遣精神医療チーム(DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team))(以下「DPAT」という。)を、迅速かつ円滑に派遣し、必要な場所に必要な人数を配置し、ニーズに応じた活動を効率的に行い、かつ継続的に実施する必要がある。

このようなDPAT活動を維持するためには、事前の十分な訓練と、災害発生時以降の迅速、適切な連絡調整が必要である。
この業務は、DPAT に関する業務の中核となる機関として「DPAT 事務局」を設置し、行政機関及び関係団体等と円滑な連携体制を構築し、今後発生が予想される大規模地震その他の災害の発生に備えた精神医療体制づくりのための平時の訓練や、これまでの活動経験を元にした効果的な DPAT の活動手法の開発・検討、災害時における情報提供及び技術的支援などの連絡調整事務の機能を担うことを目的とする。

事業の内容

大規模自然災害に備えた平時における技術的支援

ア 都道府県・DPAT統括者及びDPAT先遣隊に対する研修・技術的支援・情報提供

  1. 都道府県DPAT 統括者および災害精神保健医療担当者研修
  2. DPAT先遣隊に対する研修
  3. DPAT・先遣隊隊員技能維持研修
    DPATの活動能力を保持し、危機管理体制強化を図る観点から、DPAT先遣隊を対象に技能維持研修を行う。尚、DPAT先遣隊については更新制を導入し、迅速かつ質の高いDPATの全国的整備を図る。
  4. 都道府県でのDPAT体制整備促進のための技術的支援・情報提供
    都道府県がDPATに関する体制整備のための検討又はDPAT隊員への研修を実施する場合に、技術的支援及び情報提供を行う。
  5. 関連情報の収集・発信
    DPAT活動要領に基づき、都道府県より申請された、DPAT 統括者、本庁担当者、DPAT 先遣隊を組織できる機関の情報を登録する。
    また、「DPAT先遣隊研修」を修了した者をDPAT先遣隊隊員として登録する。

イ DPATの活動手法の開発・検討

災害派遣医療チーム(DMAT(Disaster Medical Assistance Team))、日本医師会災害医療チーム(JMAT(Japan Medical Association Team))、日本赤十字社救護班、内閣府等の政府機関、自治体、精神保健福祉センター、保健所等との連携を踏まえつつ、過去の災害時の精神医療活動のデータ、経験を元に、DPAT のより効果的な活動手法の開発・検討を行う。

大規模災害時におけるDPAT活動に関する支援

大規模災害時には、厚生労働省と連携し、DPAT活動を迅速かつ効果的に行えるよう、以下の機能を担う。

  • 厚生労働省等と連携し、精神科医療機関の被災状況等のDPATによる支援の可否の判断に必要な情報収集等について迅速に対応する。
  • 被災都道府県が派遣都道府県からの支援を必要とする場合には、厚生労働省の指示のもとに、全国のDPAT に対して出動可否等を含む情報収集を行う。
  • 被災都道府県の要請に応じて被災都道府県担当者、被災都道府県のDPAT 統括者、DMAT 事務局、災害医療コーディネーター、保健医療体制、その他の支援チーム等の被災地域の関係者との情報共有・連絡調整を行い、被災地においてDPAT を統括するための技術的支援や連絡調整に係る支援を実施する。
  • 経時的な記録を作成しながら関係者への情報共有を行う。
  • DPAT 活動の情報共有基盤として災害時に診療概況を報告・共有できるシステム(J―SPEED)を活用し、適宜、厚生労働省を含む関係者への情報共有を行う。

連携協議会の開催

DPAT 活動のガバナンス強化を図る観点から、災害時の精神医療の関係学会及び関係団体、行政機関等の外部有識者を参集し、災害時に診療概況を報告・共有できるシステム及び「広域災害・救急医療情報システム(EMIS)」の活用手法、研修内容等の検討・評価を行う連携協議会を年に1回以上開催する。